2020年4月から施行されるということで
就活をしていてもよく耳にする
「同一労働同一賃金」。
今回は2回に分けて、
この「同一労働同一賃金」について解説します。
そもそも「同一労働同一賃金」って何?
「同一労働同一賃金」と聞いて皆さんどうイメージしますか?
「雇用形態が違っても、同じ労働内容だったら同じ賃金になる」
ってことじゃないの?
と思うんじゃないでしょうか。
こう考えた方は半分正解です。(←ウザい)
実はこの「同一労働同一賃金」の考え方は日本独特のものなんです。
元々、同一労働同一賃金は、
当時女性の労働市場への参入が増加していた
19世紀後半のイギリスで生まれた、
「“男女”同一労働同一賃金」という考え方でした。
これは、
女性の参入による男性労働者の賃金低下を防ぐための措置であり、
今でもヨーロッパをはじめとする海外ではこの考え方が主流です。
その後、1948年に採択された世界人権宣言によって、
「同一労働同一賃金」が性別以外の社会的差別類型にも
拡大されるようになりました。
日本の同一労働同一賃金はどうして生まれたの?
日本では「男女、国籍、信条、社会的身分」については、
既に賃金差別が禁止されています。
これらは先天的に与えられたものであり、
自分の意志で変えることは難しいため、賃金差別が禁止されています。
そこで、(自分で選ぶことができる)雇用形態の違いによる賃金差別は許されるのか?
というと素直にそうとは言えません。
現在の日本では、
雇用形態を「自分で選ぶことができるもの」だと言えなくなってきているのです。
2018年の時点で、
非正規雇用者は2120万人で、労働者の40%弱にのぼっています。
その中の多くがいわゆる「ワーキングプア」であり、
未婚率も高く、少子化の一因にもなっています。
また非正規雇用者は十分な職業訓練の機会を得られないことが多く、
一度フリーターになってしまうと、
その後も非正規労働にとどまざるを得ない傾向があります。
つまりこのように、
「非正規雇用」が「身分」のようになっている現状
を改善するために日本版の「同一労働同一賃金」が生まれたのです。
終わりに
後半では、同一労働同一賃金のメリットデメリットや、
正社員への影響について解説していきます!
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